ランデザインスタッフの日記

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2009-10-01

空想の翼に乗って

ランデザインのコピーライター、あやです。

仕事のかたわら、童話を書いて育児誌で発表しています。
どうして童話を書いているのか、と聞かれることがあります。
自己表現ですか?と。
たしかに「創作」という意味では、自己表現といえるのかもしれません。
今回はそのことについて書いてみようと思います。

先日読んだ記事の中で、ある児童文学者が
子どもが「お話の世界」に引き込まれることを
「空想の翼に乗って旅をする」と表現されていました。
なんて素敵な表現なんだろうと、感激しました。

子どものもつ精神世界は自由です。
子どもたちは物語の中で、草花や虫や動物たち、
現実にはいない生き物とも会話します。
世界中のあらゆる場所、そして架空の場所へも入り込み、自由に遊びます。
そんな日常と離れた「空想の世界」で、のびのびと心が泳ぐ瞬間。
それこそが、子どもであることの醍醐味だと思っています。

そこで出会ったゆたかな言葉は、子どもを「知」の世界へと導きます。
「知」とは、決して学力が高いという意味ではありません。
世の中のさまざまな物事や現象について、
興味を持ち、考える土壌を持つということです。
また「知」とは、戦争や差別を含めた
世の中のあらゆる「暴力」の対局にあるものだとも思います。

その意味で、ゆたかな言葉や想像世界の経験は、
大人になって社会で生きるための、一つの道筋を作ってくれるのはないかと、
私は考えています。

子どものゆたかな言葉や感情を育てるもの…
たとえば四季を感じながら自然の中で遊ぶことや、
仲間と語り合うこと…ほかにもきっとたくさんあると思います。

ただ、その中で私ができること、私が得意なことは
子どもたちに童話として「空想の翼」を差し出すこと。
そういう意味では、私にとって「創作」ということは大して重要なことではなく、
童話を書くことも、既存の素晴らしい絵本を紹介することも、
そんなに変わらないことなのかもしれません。

これからも少しずつ書き続けたいと思っています。
たくさんの子どもたちの、輝く目を想像しながら。

今月発売の「母の友」(福音館書店刊)11月号は、
「子どもに聞かせる一日一話」特集です。
その中の一話として『うちゅう公園』を掲載していただいています。
よければ読んでみてください。

by Aya | 2009-10-01 | コラム

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