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2010-07-05

こどものつぶやきと空と vol.2

以前もこちらで紹介した子どものつぶやき。
現在小学二年生の長男が言葉を話し始めたころから、
楽しいつぶやきや、はっとさせられた言葉を、ノートに書き留めてきました。
その中に、彼が3歳頃にふとつぶやいたこんな言葉があります。

「あのな、ママはオトナ。ぼくはオトコ。」

そう、その通り。でも何だか変です。この言葉を聞いて、普通の大人は思います。「ママはオトナというならぼくはコドモ、でしょ」。または、「ぼくはオトコと言いたいなら、ママはオンナと言うべきでしょう」と。私たち大人は、「オトコ」に対する言葉は「オンナ」であり、「コドモ」に対する言葉は「オトナ」であることを理解しています。つまり、ある事象に対する言葉はこの言葉であることを理解している。それは世の中をある程度、整理して見ていることになります。でも、成長過程にある子どもは、そうではないんですね。目の前のこと、覚えたての言葉がすべてなのでしょう。それをそのままに表現している。子どもの言葉のおもしろさは、そこにあると思います。それが子どもの世界観なんだと、はっとさせられた長男の一言です。

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そう考えると、子どもから見る「世の中」は、現実と非現実、過去と未来、善と悪…いろんなものごとが交錯して、私たち大人が見ている以上に混沌としているのではないか思えます。刺激的で、不思議で、時に恐ろしいものかもしれません。成長するということは、良きにしろ悪しきにしろ、その混沌とした世界の法則やしくみを知り、世の中が徐々にクリアに見えていくことといえます。

そんな中、子どもの頃に絵本や物語などで経験した「空想の世界」は、一見相反するものであるようで、その理解を助けてくれるものではないか。最近の長男を見ていて、私は思うのです。彼は今、二年生。少しずつ世の中のしくみを理解しています。学校で、日常生活の中で。生きものが大好きな彼は、身の回りの生きものを捕まえてきては、図鑑でその生態や飼い方を調べています。その一方で、生きものが主人公の物語も大好き。空想の世界と現実の世界を行ったり来たりしながら、その世界を思う存分堪能している…そんな彼がうらやましくもあります。これこそが、子どもの醍醐味ですね。
その中で、一つのものごとについていろいろな方向から考え、想像したり、事実を知ったりしながら「オトナ」になっていくのでしょう。大人になってしまってからは目を背けることのできない現実も、子どもの頃に経験した空想の世界が一つの土壌となって、向き合い考える場を作ってくれる…。

夕焼け空の下で一生懸命に飼育ケースをのぞきこむ彼を見ながら、そんなことを考える母です。

by Aya | 2010-07-05 | こどものつぶやきと、空と

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