ランデザインスタッフの日記

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2013-06-12

中川李枝子さん講演会

先日、縁あって童話作家・中川李枝子さんの講演会に行ってきました。「今日はどんなお話が聞けるのだろう」と期待に胸ふくらませ私の前に現れたのは、真っ白い髪が美しいおばあちゃん。江戸っ子らしいはっきりした口調で、絵本誕生秘話を初め、ご自身の生い立ちや子ども観などを語って下さいました。

中川さんの作品に登場する子どもたちは、本当に生き生きとしていて子どもそのもの。「そうそう、子どもってそういうこと言うよね。そういうことするよね」と、その言葉やしぐさをすくい取る感性に敬服していました。戦後の焼け野原で始まった保育園に、長年保育士として子どもたちと共にすごされた中川さん。物のない時代に、どうやって子どもたちを豊かに育てようか。そんな日々の葛藤と工夫の中で、子どもたちのたくましさ、すばらしさに触れ、そこからたくさんの物語が生まれたという話に納得しました。

また、10代の多感な頃に戦後の混乱期を過ごされた中川さんは、平和の大切さも訴えられていました。「和やかな気持ちで空を見上げられることの幸せ」は、何にも代え難いものだと。「戦争中、空を見上げるのは敵機を探す時だけ」だった中川さんは、平和な空を子どもたちに残していきたいと話されていました。それは私たち母親も同じであるはず。子育て中の母として、この日本に生きる一人の人として、何ができるのか考えていかなければならないと強く思いました。

『ぐりとぐら』、『いやいやえん』、『ももいろのきりん』、『こぎつねコンチ』…。わが家にもある数多くの中川さんの作品には、彼女の世界観や信念が映し込まれているんだ。そう思うと、読み方も少し変わってくるような気がします。「私はいつでも一貫して子どもの味方なんです」とおっしゃる中川さん。そんな彼女の言葉を思い出しながら、これからもずっと子どもたちと読み継いでいきたいと思いました。

by Aya | 2013-06-12 | こどものつぶやきと、空と

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