ランデザインスタッフの日記

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2016-03-01

ブログエッセイ「うしろの風景」

コピーライターの岩村彩です。
「うしろの風景」では、先月のわが家でのできごとを
ふり返ってつづってみたいと思います。

「そろそろオニの季節やな」。
長男と次男は、娘にそんなことを言っておどかします。
末っ子の娘は、そのたびに神妙な顔つきになります。
節分の季節が近づくと、お店や商店街のあちこちで「オニ」に出会います。
大人から見るとイベント商戦。でも子どもにとっては、恐ろしい季節です。

もっとも恐るべきなのは、保育園の節分イベント。
太鼓の音とともにうなり声をあげてやってくる赤オニと黒オニを、
子どもたちが豆を投げつけて退治するんだとか。

「年長のときにオニにさらわれそうになって怖かったわ」
「鬼が島ではカチカチの布団で寝るんやって!」

どこでそんな知識を得たのか、
本当にさらわれそうになったのかは謎ですが、
長男と次男は娘の前でそんな話をして、節分気分を盛り上げます。
娘の妄想はふくらむばかり。
オニが来ては大変だと思うのか、いつもよりちょっと「おりこうさん」の娘です。
そういえば、今やこうして笑っている男の子二人も、
園児のころは本気で怖がっていたっけ。

成長するにしたがって、子どもたちはオニが伝説の生き物だと分かってきます。同時に大人に近づくにつれて、オニよりも怖い現実があることを知ります。「オニが来る」よりもずっとずっとつらいことを経験するかもしれません。大人になるっていうのは、そんな世の中を懸命に生きていくということ。何があってもその先に希望を持って、朗らかに、そして堅実に生きていくんだよ、子どもたち。

3月。ひな人形が飾られたわが家のリビングで、そんなことを考えている母です。

by Aya | 2016-03-01 | こどものつぶやきと、空と

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