ランデザインスタッフの日記

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2011-06-21

手動穴あけ機による、色の構成



こちらもジャズのレコードジャケットを題材にしています。「Fascination Jazz Collection」が装飾的だったのに対して、こちらは「Contemporary Jazz Collection」と題してモダンなデザインにしてみました。

そしてその加工方法は、色紙を重ね合わせて、手動で高さを変えながら穴を開けていくというやり方です。泉広印刷の矢部さんから、工場にある手動の穴あけ機を使って何か表現できないか、という提案があったのが発端です。

色を活かすためのデザインを行い、次に紙の選定、色がきれいに見える紙の厚さの確認、そして色の数などを小型のサンプルを作りながら進めていきました。

最終的に紙は微妙な色合いが揃っているOKミューズコットン四六90k、色数は8色としました。




こちらが今回の主役、手動の穴あけ機です。
右のレバーをおろして穴をあけます。刃はモーターで回転しています。

そして本番へ。微妙な手の感覚だけを頼りに穴あけを進めていきます。





だいぶ進んだところ。



全部穴をあけ終わり、紙を開いてみるとこんな感じ。

アルバムのタイトルは黒の箔押しにすることにしたのですが、黒にもいろいろな箔があるので、サンプルを作ってもらいました。



金の下から、消黒、ツヤ黒、濃いグレー、グレー、それから銀箔の2種類。その中から光りの当たり具合で、見え方の変わるツヤ黒を選びました。



そして箔を押して完成。斜めから見るとエンボスがとても感じられておもしろい。
レコードを入れる場所は、紙が重なっているのでその隙間のどこでも好きなところとしました。




こちらも、レコジャケ展とブリーゼブリーゼに展示されます。


ヤンクリ「レコジャケ展」

●日  時:2011年6月24日〜7月7日
      28日 18:30よりパーティーを行います(20:00まで)
●場  所:心斎橋・ペーパーボイス大阪

「レコジャケ展」in ブリーゼブリーゼ

●日  時:2011年7月16日〜7月31日
●場  所:梅田・ブリーゼブリーゼ


今回、2つの実験をしてみましたが、イメージ通りのものが完璧に再現されて、大成功となりました。これも今回、一緒にあれこれ意見を出し合って取り組んだ、泉広印刷の矢部さんをはじめご協力いただいた職人のみなさまのおかげです。ご協力ありがとうございました。


※写真はクリックすると拡大します


「葉入り和紙にオフセットの一版多色刷り」の実験はこちらです

by Nami | 2011-06-21 | Laboratory

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