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2016-08-14
以前、明晃印刷さんが工場を移転する際に譲っていただいた欧文活字を使えるようにするため、印刷機を設計製作しました。自分の名刺は以前からローラーの隙間を通す小型のプレス機を使って刷っているので、自然と同様のプレス型の設計を思いついた次第です。
印刷機本体は枚方にある家具町工房で作っていきました。精度の求められる部分は、家具町工房の賀來寿史さんに助けていただき進めていきます。
そして仮組みしてはじめの試し刷り。
書体はCentury。
印刷作業をしやすくするためと見栄えを考慮してボディはアールを活かしたデザインにしました。
地味に糸ノコで切っていきます。
組み立て完了。この姿を見て賀來さんが“オクトパス”と命名してくれました。
本体ができたら、次ぎはローラーを回すハンドルの製作。金属作家の信ヶ原良和さんに協力していただき、いくつかの形を試した結果、T字型のハンドルを2つ付けることになりました。
写真は試作ハンドル1号
写真は組み始めの試し刷り。書体はNews Gothic
名刺を刷るためには、欧文だけでなく和文が必要です。そこで大枝活版室の森国さんと高倉さんに相談しましたところ、今は使っていない和文活字を譲っていただきました。
ようやく印刷の環境が整い、組版へ。活字の組版は細かい作業で時間がかかりますが、でも手作業はたのしいですね。スペーシングも気になるところは紙をはさんだりして調整してみました。
さて、印刷してみたものの、想像していた通りすぐにはきれいに刷れません。いろいろな調整をしていき、ようやく名刺として配れる程度には刷れるようになりました。
これから使っていくなかで、コツもつかんでいき印刷の精度も上がっていくはずです。サイズとしてはポストカードまで印刷可能なので、落ち着いたらポストカードの組版にも挑戦してみたいですね。
映像を撮ってみました。こんな感じで使用します。
初号機は、試行錯誤しながら作ったので手作り感がありますが、改良版はもう少ししっかりとした作りにしたいと思い、検討中です。
この印刷機について興味のある方はご連絡ください。何人か仲間が集まればたのしくなるだろうな、と思っています。
では、また。