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2014-05-27
コピーライターのあやです。最近、こんな素敵な詩に出逢いました。
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「天国」 新美南吉
おかあさんたちは
みんな一つの、天国をもっています。
どのおかあさんも
どのおかあさんももっています。
それはやさしい背中です。
どのおかあさんの背中でも
赤ちゃんが眠ったことがありました。
背中はあっちこっちにゆれました。
子どもたちは
おかあさんの背中を
ほんとうの天国だとおもっていました。
おかあさんたちは
みんな一つの、天国をもっています。
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新美南吉さんといえば「ごんぎつね」などの童話が有名ですが、
詩も書かれるんですね。
わが家の子どもたちは、思春期の入口にさしかかった長男とわんぱく盛りの次男、そして自我が芽生えはじめた長女。
楽しい毎日ばかりではありません。
イライラして叱ったり、関係がうまくいかなくて悩んだり。
むしろそんな時の方が多いかも…と思う毎日。
けれど、そんな時この詩を声に出して読んでみると、
新美南吉さんの紡ぎ出す世界に引き込まれて、
言葉に心が解きほぐされるような気がします。
背中で寝息が聞こえた、あのいとおしい時間が思い出されて、
肩の力がゆるむような、胸が熱くなるような気持ちになります。
母はいつまでも母ですね。
そして言葉の力の大きさに、ライターとしてもまた身の引き締まる思いがするのでした。
by Aya | 2014-05-27 | こどものつぶやきと、空と