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2016-03-26

ブログエッセイ「おやすみなさいの枕元」

『ははがうまれる』(福音館書店刊)

コピーライターの岩村彩です。
わが家はみんな「読むこと」が大好きです。
大人にとっても子どもにとっても、
眠りにつく前のベッドの中での読書の時間は、至福のひととき。
ベッドに入り、枕元のあかりをつけて、
めいめいに好きな本を読んでから眠ります。
子どもたちは、空想の世界の旅を楽しんで。
「おやすみなさいの枕元」では、そんなわが家のだれかが読んだお気に入りの本を、
少しずつ紹介したいと思います。
今回は最近わたしが読んだエッセイ集『ははがうまれる』(福音館書店刊)を。

3月の終わりに、長男の誕生日がやってきます。今年は13度目。
毎年この日になると、長男がうまれた日を思い出すとともに、
「わたしの中に“母親”という役割がうまれて○年なんだなぁ」
と思いつづけてきました。
未熟なわたしが、こどもを育てるという大仕事を始めて○年だと。
なので、この本のタイトルを見たときに、
「あ、同じことを思っている人がいるんだ」とうれしくなりました。

作者の宮地尚子さんは、精神科のお医者様です。
出産された友人の、今まで見たことのなかった彼女の表情や言葉にふれて
「子どもが生まれただけではなくて、母も生まれたのだ」と感じられたとか。
みんな子どもの誕生とともに「母親」として生まれるんですね。
第一子でも第三子でも、みんな「その子どもの母親」として、また生まれる。
だからベテランママなんていない。
こんなわたしも日々悩み、試行錯誤しながら、子育てしているんだから。

本の中には、宮路さんが悩みながら子育てされる姿、
母として、女性として日々感じられることが綴られていて、
「あぁ、そういう感じ方もあるのか」と新鮮な気づきがたくさんありました。
いつまでたっても子育てに「慣れ」ないわたし。
あんな言い方するんじゃなかったと、後悔しているわたし。
そんなわたしの心に、風通しのいい窓を作ってくれたような、
そんな気持ちになる一冊でした。

by Aya | 2016-03-26 | こどものつぶやきと、空と

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