ランデザインスタッフの日記

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2010-11-01

手フート機で活版印刷



先日、特殊紙を使った印刷でお世話になっている大同印刷所さんのもとで、手フート機と呼ばれる小型の印刷機を使わせていただきました。
手フート機は見た目のかわいい手動の印刷機です。使い方は大同印刷所のみなさまが教えてくださいました。



こちらは今回、版として使う樹脂版。



2色刷りのため、2版に分けています。
デザインは今年から欧文書体の見る目を養おうと思ってはじめたカリグラフィー(欧文手書き文字)を素材にしたデザインです。

版をセットしたら、次は調色。



活版用の油性インクを使ったのですが、粘度が高くて混ぜるのも大変。油性インクはこんなに固いんですね。しかも水彩絵の具やポスターカラーだと見た目で色が分かるのですが、油性インクは見た目では仕上がりの色が分からず苦労しました。私は普段からオフセット印刷でよく色チップにない色を特色にしてと言って嫌がられるのですが、調色も機械化されてる現在では、手で調色できる人は減っていってるのでしょう。



そして印刷。やはり難しいのは、インクの量と印圧の調整。ホントに微妙です。



印圧が弱いとかすれてしまい、強いと余白まで色がついてしまいます。それと紙の違いによるインクの定着が全然違うことが分かりました。こんなに違うのかと。その違いを比べたかったので、いろんな種類の紙で印刷してみました。この紙は仕上がりがいいだろうと思っていたらそうでもなかったり、意外な紙がすごくよかったり、いろんな発見がありました。



エンボスの薬品をつかって、バーコ加工にも挑戦。うまくいきました。




今回、大同印刷さまのご協力でこんな貴重な経験をすることができ、とっても感謝しています。お世話になりました大同印刷所のみなさま、ありがとうございました!

ところで手フート機のとなりにあった風車という別名のあるハイデルベルグ プラトン印刷機、かっこいい!。





見た目は汽車のようで、動きもポッポッといいながら汽車のよう。頑丈な作りなので日本各地でも加工機として現役なのだそうです。この話をしたら、デザイン・印刷をしていた私の父も昔、使っていたと言ってました。今でも部品を注文したら手に入るそうです。堅牢な作りはドイツ製品の真髄ですね。



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by Nami | 2010-11-01 | ワークショップ

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